外国人雇用に書類たくさんあって大変です

「外国人雇用状況届出書」の正しい提出方法

外国人を雇用する時、決まった期限までに国に外国人雇用状況の届出を提出しなければなりません。提出に漏れがあると一人につき30万円の罰金が科される可能性があります。

また、情報や記入の不備がある場合は再度確認した上で提出する必要があります。提出が遅れると罰金の対象になりますので、余裕をもって提出するためにも届出書を記入する前にすべての情報を正確に把握することも重要でしょう。

この記事では、外国人雇用状況届出書の様式やそれぞれの提出期限と記入方法、記入するために必要な情報について、理解を深めることができます。

 

外国人雇用状況届出書とは 

正式名称は「外国人雇用状況の届出」(以下「届出書」と略称)。届出書は企業内の外国人の雇用状況が変更あった時に、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出なければならない書類です。届出書の提出は、外国人の雇用管理の改善や再就職支援のため、また国の労働施策の総合的な推進のため、外国人を雇っているすべての事業主の義務となります。

外国人を雇用したのに届出書を提出していない場合は最大30万円の罰金が科されます。またこの届出書は、外国人の雇用状況に変動があった場合に提出しないといけないので、雇い入れの際だけではなく離職や雇用形態が変わった際にも提出が必要です。

対象の外国人と提出すべき機関と罰則をより詳しく説明していきます。

 

対象となる外国人 

基本的には外国人を採用すると届出書を提出しないといけません。永住者留学生正社員アルバイトなど、在留資格と雇用形態を問わずに届出書の提出が必要となります。

ただし、例外があります。「特別永住者」(在日韓国人、在日朝鮮人など)、「外交」、「公用」の在留資格の所有者を採用しても提出は要りません。 

 

雇用時だけでなく退職時の提出も必要 

もちろん雇用の際には提出すべきですが、外国人が退職する際にも必ず届出書を出さなければなりません。

また、雇用保険が入っている場合、雇用保険から退去する際にも届出書を提出しないといけません。

 

雇用形態で提出(会社)が違

雇用形態別で届出書を提出する機関(会社)は以下の通りです。  
  
・直接雇用(正社員、アルバイト):事業主が提出します。 

・派遣社員:派遣会社(派遣元)が提出します。派遣先ではないです。また外国人が提供した情報の真偽を確認するのも派遣会社の義務です。さらに登録型の場合は派遣先が決定した都度に届け出の必要があります。  

また、技能実習生を雇う場合は、雇用形態を問わずに監理団体が主体となって届出を提出します。

 

提出をしないと罰金の対象 

届出書が期限まで提出していないことが発覚されたら罰されます。また、届出書に間違った情報が記載されると処罰の対象になり、一名につき最大30万円の罰金が科されます。

例えば一気に10外国人を採用したにもかかわらず届出書を出さなかったら300万円の罰金になる可能性もあるので、充分注意ましょう!

万が一漏れがあったらすぐハローワークに問い合わせしてください。遅ければ遅いほど罰金が高くなるかもしれません 

 

届出書の種類 

ここから授業が始まります

外国人雇用状況届出書は、合計3種類あります。提出1種類ですが、正しい様式の届出書を提出しないといけません。様式は労働者が雇用保険に加入するかどうかによって違います雇用保険の加入条件と、加入有無それぞれの届出書を紹介します。 

 

雇用保険に入るかどうかの判断基準 

雇用保険は労働保険の1つとなります。ただし労災保険と違って労働者全員が加入する必要はありません。雇用保険へ加入する2つの条件を簡単に解説します。 

① 1週間の所定労働時間が20時間を超えること 
アルバイト・パートでも所定労働時間が20時間を超えると雇用保険に加入しないといけません。注意すべきは、契約のときの所定労働時間(予想の労働時間)に基づいて加入有無を決めます。

② 31日以上の雇用見込みがあること 
短期の仕事でなければ雇用保険への加入が必要です。ただし、たとえ31日以下の契約でも「自動更新」など、契約に更新規定があれば31日以上の雇用見込みとされる場合があります。あるいは、前に同じような契約から更新して31日以上勤務したことある場合、新しい契約も短期契約になりません。

また学生は雇用保険に加入できないため在留資格「留学」の労働者は雇用保険の加入対象外とされます。

上記2つの条件に満たしかつ留学生でない場合、労働者の希望と関係なく雇用保険に加入が必須なので注意してください。 

 

雇用保険の被保険者である場合 

雇用保険を適用する場合の届出書について説明します。雇用保険に加入する時だけでなく、喪失する時も届出書を提出しないといけません。

注意すべきは、加入する時の様式と喪失する時の様式が違うことです。間違いのないように手に入れましょう。      

取得届 

喪失届 

外国人雇用状況届出書_雇用保険被保険者資格取得届 外国人雇用状況届出書_雇用保険被保険者資格保険喪失届
URL:https://hoken.hellowork.go.jp/assist/600000.do?screenId=600000&action=koyohohiLicenceLink
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雇用保険の被保険者でない場合 

雇用保険に加入しない場合は、様式は1つのみです。入社と退職の時も同じ届出書を記入して提出すれば大丈夫です。

雇用保険の被保険者でない場合――届出様式(第3号様式) 

外国人雇用状況届出書_様式第3号
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000493593.pdf 


届出書
の記入 

外国人の採用が決まったら下記3つの順番で進めばスムーズです。

最初に、外国人の個人情報や労働条件通知書(または契約書)など、記入の際に必要な情報を集めます。

次に、集めた情報に基づいて正しい届出書を手に入れて記入します。

最後に、完成した届出書を期限までに提出すれば完了です。

下記の図に順番をまとめましたので、確認しながら実施すれば、漏れがないように期限までに提出できるでしょう。 

外国人雇用状況の届出の記入流れ

必要な情報の収集 

外国人の採用を決めたらすぐに採用する外国人の情報を集めましょう。理由は2つあります。

1つ目は契約の条件と在留資格によって届出書の様式が違うので、最初に情報を集めたほうが必要な様式がわかり手間が減ります。

2つ目は提出が遅れると罰金の対象になるためです。情報の収集に時間がかかったり、集めた情報が違えていたりということもあるため、時間に余裕を持ったほうがおすすめです。 

集める情報は提供元によって分類できます。

 

外国人が提供する情報 

◎在留カードで確認できる情報
□ 氏名(ローマ字
□ 生年月日
□ 性別
□ 国籍・地域
□ 在留資格
□ 在留期限
□ 住所(表にはなければ裏も確認)
□ 資格外活動許可の有無(裏面で確認)

◎その他
□ 個人番号(雇用保険に加入する場合のみ

雇用保険に加入する場合、個人番号(マイナンバー)の提出も必要となります。それ以外の情報は在留カードを確認すればわかります。法律上、在留カードのコピーを提出する必要はありませんが、在留カードをコピーしたほうがおすすめです。

理由として、メモの場合、入力する情報が間違えてしまう可能性があります。例えば、スリランカ人の名前がローマ字40文字超えるのは普通なので入力の時に間違えたり、中国人の名前は常用漢字以外の漢字を使うこともあります。コピーをすればこのようなミスを防ぐことができます。

また提出の際に情報が間違いだと言われても、在留カードのコピーを持っていればすぐ確認できます。

最後に、在留カードの真偽も確認しましょう。法務省のサイトに在留カードの番号とカードに記載されている有効期限を入力したら有効か無効かがすぐわかるので、ぜひ実施してください。

法務省:https://lapse-immi.moj.go.jp/ZEC/appl/e0/ZEC2/pages/FZECST011.aspx

 

現場から得る情報

□ 1週間の所定労働時間:雇用保険の加入有無に影響
□ 勤務開始(終了)日:提出期限と関連するから重要 
□ 時給、もしくは月給

こちらの情報は、労働者に渡す労働条件通知書に書いてあるはずです。もし不確定要素があった場合は、契約を行った担当のスタッフと確認しましょう。

 

総務か労務が把握している情報 

◎会社の情報 
□ 会社の名前、住所、電話番号 
□ 代表の名前 

◎労働者の雇用保険書にある情報(雇用保険加入する場合のみ 
□ 被保険者番号 
□ 事業所番号 
□ 被保険者氏名 

会社の基本情報はすぐHPなどで確認しましょう。

雇用保険の保険証はほとんどの場合は会社が保有していますが、もし本人が持っていれば聞いてみましょう。

 

期限と様式をわかった上に正確に記入

雇用保険へ加入するのを知っていたら提出の期限と様式もわかります。提出の期限は下記の表の記載通りです。 

雇入れ  退職 
雇用保険の被保険者である外国人  取得届  勤務開始日の翌月10日            

例:12月1日勤務開始
→ 期限:1月10日 

退職日の翌日から起算して10日 

例:12月1日勤務終了
→ 期限:12月11日 

喪失届 
雇用保険の被保険者ではない外国人  届出様式(第3号様式)  勤務開始日の翌月末日

例:12月1日勤務開始/終了 → 期限:1月31日 

  

提出の期限を予定表にメモしましょう

記入例は下記となります。それぞれの情報を正しい欄に入れましょう。また⑯の情報は特別な情報ですので、自社の状況によって記載お願いします。

*セルに「x〇」が入っているのは、届出書の中に「〇箇所」に記入するという意味です。 

入力項目  雇用保険の被保険者である外国人  雇用保険の被保険者ではない外国人 
取得届  喪失届  届出様式(第3号様式) 
外国人雇用状況届出書_雇用保険被保険者資格保険取得届(例) 外国人雇用状況届出書_雇用保険被保険者資格保険喪失届(例) 外国人雇用状況届出書_様式第3号(例)
氏名(ローマ字)  ①  ①  ① 
在留資格  ②  ②  ② 
在留期限  ③  ③  ③ 
生年月日  ④  ④  ④ 
性別  ⑤  ⑤  ⑤ 
国籍・地域  ⑥  ⑥  ⑥ 
住所  ー  ⑮  ー 
資格外活動許可の有無  ➆  ―  ➆ 
勤務開始・終了日  ⑧  ⑧  ⑧ 
事業主の情報  ⑨x2  ⑨x2  ⑨ 
記入日付  ⑩  ⑩  ⑩ 
個人番号  ⑪  ⑪  ー 
被保険者番号  ⑫  ⑫  ー 
事業所番号  ⑬  ⑬  ー 
被保険者氏名  ⑭  ⑭  ー 
その他(あれば記入)  ⑯x3  ⑯x4  ー 

2020年3月以降在留カード番号も必要

在留カード番号は、在留カードの右上に記載されているので、在留カードのコピーがあればすぐわかるものです。届出書と同じく雇用保険の加入有無で様式が変わります。

雇用保険の被保険者資格の取得届又は喪失届を提出する場合、もともとの届出書の上、下記の書類の提出も必要となります。下にあるURLからダウンロードして印刷して、事業所番号と外国人の氏名(ローマ字)とその外国人の在留カード番号を記入してください。記入したものを取得届、もしくは喪失届と一緒に提出すれば問題ありません。

URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000564974.pdf 

 

雇用保険に加入しない外国人の場合、新しい届出書を使ってください。記入内容は大きく変わらないのですが、外国人の情報と事業所情報の間に「在留カード番号」の空欄が追加されたので、その空欄も記入した上提出してください。新しい届出書の様式は下記のURLからダウンロードできます。 

雇用保険に加入しない外国人雇用状況届出書(2020年3月以降)
URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000565162.pdf

 

書き終わったら期限まで提出 

記入を完成したら近くのハローワークに提出してください。近くのハローワークの場所は下記のURLから検索できます。  

ハローワークの所在地:https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html 

 

また、期限をもう一度確認しましょう。雇用か退職か雇用保険への加入有無によって期限が違いますので、遅れがないように提出しましょう!

 

まとめ

「外国人雇用状況届出書」は外国人を雇う際に、ハローワークに提出しないといけない書類です。また退職する際にも必要となります。提出しなかった場合、もしくは遅れた場合、30万円以下の罰金を取られます。また届出書の中に誤った情報があれば同じように罰金が科されます。

そうならないためにも、会社の中に外国人の雇用状況に変わりがあったら(入社もしくは退職)下記のフローに従って届出書を漏れ、遅れ、間違いがないように提出しましょう。 

外国人雇用状況の届出の記入流れ

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